目次
1.注意書き
自身のなかでの情報整理のための記事です(筆者は税理士資格を有していません)。
具体的事案にあたっては、必ず税理士さんに相談しましょう!
なお全般的に下記4のタックスアンサーを参照しています。
(参照したタイミング(2024/1/20)では、令和5年税制改正については脚注に記載があったものの、記事本文には反映されていなかった。)
2.どんな制度なのか?
(1)相続税の計算の時に適用
相続税の課税価格を計算に関しては、こんなルールがある。
- 被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に暦年課税に係る贈与によって取得した財産がある場合には、
- その財産の価額(贈与の時の価額)を相続税の課税価格に加算しなければならない。
いままでは「3年」であったが、令和5年税制改正により、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税については「7年」となる。
(2)加算される贈与財産
被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産のうち、相続開始前3年以内(注:令和5年税制改正)に贈与されたものが対象となる。
贈与税がかかっていたかどうかは関係ないため、基礎控除額110万円以下の贈与財産についても加算対象になる!
(3)加算されない贈与財産
ただし一定の種類の贈与については適用対象外となる。
くわしくは下記4のタックスアンサーを参照のこと。
3.暦年贈与との関係
(1)そもそも暦年贈与とは?
「暦年贈与」という言葉をよく耳にするのですが、タックスアンサーにおいては「暦年課税に係る贈与」という言葉が利用されており、こちらが正確な表現なのでしょうか。
いずれにせよ、贈与税の計算は、概要次のように行う。
- その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額計算する。
- 上記から、基礎控除額110万円を差し引く。
- 税率を乗じる。
このほかにも財産評価や特例適用の是非を検討する必要あり。
(2)贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算
上述のとおり、基礎控除額110万円以下の贈与財産についても加算対象となるため注意が必要。
くわえて加算される贈与の範囲が「7年」に延長となった。
また、単に加算するだけでなく「相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額」を加算するという!
(「以外」と「以内」の使い方!)
「相続税の計算は怖い」と税理士さんから聞くが、さらに落とし穴が増えたのではないか。
あるいは、改正に慣れている税理士さんであれば、お茶の子さいさいなのだろうか。
4.参照した情報
下記は「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023006-004.pdf