理事長の変更登記と定款添付(医療法人)

2020年8月28日

1.医療法改正により添付が不要に

医療法改正により、理事及び理事長の選任機関に関する規定が置かれたため、従来「選任機関を証するため」に添付されていた定款(又は寄付行為。以下同じ。)の添付は不要となった。

2.例外的に必要なケース

しかしながら、次の場合には、定款の添付を要する。

  • 理事長を、理事会ではなく、社員総会又は評議員会で選出する場合
  • 理事会議事録に署名又は記名押印する者を、当該理事会に出席した理事長にする旨の定めが定款にあり、これに基づいて理事会議事録に理事長のみが署名又は記名押印している場合
  • 定款の定めに基づき、理事会の決議省略により、理事長を選出した場合
  • 社員総会の定足数、決議要件につき、定款で「別段の定め」をおいている場合

医療法(昭和二十三年法律第二百五号)
第四十六条の五
医療法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。ただし、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、一人又は二人の理事を置けば足りる。
2 社団たる医療法人の役員は、社員総会の決議によつて選任する。
3 財団たる医療法人の役員は、評議員会の決議によつて選任する。
4 (・・・)
9 役員の任期は、二年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。

第四十六条の七
理事会は、全ての理事で組織する。
2 理事会は、次に掲げる職務を行う。
一 医療法人の業務執行の決定
二 理事の職務の執行の監督
三 理事長の選出及び解職

 参考: 登記研究883号1ページ