医療法人の社員総会議事録

2017年10月16日

1.医療法の条文

参照条文

医療法(昭和二十三年法律第二百五号)

第四十六条の三の六
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(・・・)第五十七条の規定は、医療法人の社員総会について準用する。この場合において、同条第一項、第三項及び第四項第二号中「法務省令」とあるのは、「厚生労働省令」と読み替えるものとする。

 一般社団法人に関する規定を準用するかたち。

参照条文

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)

第五十七条
社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
2 一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
(・・・)
4 社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
二 第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

 社員及び債権者は、議事録の閲覧が可能。

2.医療法人の社員総会議事録に署名するのは?

(1)医療法施行規則を確認

参照条文

医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)

第三十一条の三の二
法第四十六条の三の六において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(・・・)第五十七条第一項の規定による社員総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。
2 社員総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもつて作成しなければならない。
3 社員総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
一 社員総会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない理事、監事又は社員が社員総会に出席した場合における当該出席の方法を含む。)
二 社員総会の議事の経過の要領及びその結果
三 決議を要する事項について特別の利害関係を有する社員があるときは、当該社員の氏名
四 次に掲げる規定により社員総会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
イ 【監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見】
ロ 【監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由】
ハ 【監査の結果、医療法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見】
ニ 【理事が社員総会に提出しようとする議案等を調査した結果、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるとき】
ホ 【監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見】
五 社員総会に出席した理事又は監事の氏名
六 社員総会の議長の氏名
七 議事録の作成に係る職務を行つた者の氏名

 【】内は、指定条文の要旨で置き換えた。

(2)医療法人の社員総会議事録には「議事録の作成に係る職務を行つた者」

というわけで「議事録の作成に係る職務を行つた者」を記載するが、これは「議事録の内容」になっていればよいので、署名の必要性はないということに。

モデル定款では、社員総会議事録については、つぎのような記載になっている。

第 24 条
社員総会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。

第 39 条
理事会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。
2 理事会に出席した理事及び監事は、前項の議事録に署名し、又は記名押印する。

社団医療法人定款例及び財団医療法人寄附行為例(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135131.html)
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