目次
1.法制審議会民法(成年後見等関係)部会第4回会議
一部ではあるが、上記会議において言及された条文を確認していく。
2.条文
(1)成年後見人等の交代等(辞任・解任を含む。)
民法(明治二十九年法律第八十九号)
(管理人の改任)
第二十六条
不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。
(後見人の解任)
第八百四十六条
後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる。
(親権停止の審判)
第八百三十四条の二
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
2 家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。
(後見人の欠格事由)
第八百四十七条
次に掲げる者は、後見人となることができない。
一 未成年者
二 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
(・・・)
「改任」と「解任」の区別が難しい。
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)
(即時抗告)
第百二十三条
次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第一号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。
(・・・)
四 成年後見人の解任の審判成年後見人
五 成年後見人の解任の申立てを却下する審判申立人、成年後見監督人並びに成年被後見人及びその親族
(・・・)
(2)成年後見人等の職務及び義務
民法(明治二十九年法律第八十九号)
(成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮)
第八百五十八条
成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
(3)成年後見人等の監督
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)
(成年後見の事務の監督)
第百二十四条
家庭裁判所は、適当な者に、成年後見の事務若しくは成年被後見人の財産の状況を調査させ、又は臨時に財産の管理をさせることができる。
2家庭裁判所は、前項の規定により調査又は管理をした者に対し、成年被後見人の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。
3家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に第一項の規定による調査をさせることができる。
4民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、第一項の規定により財産を管理する者について準用する。
「臨時に財産を管理」させることもできる。
家庭裁判所調査官が調査にあたることも可能。
(4)成年後見人等の報酬
民法(明治二十九年法律第八十九号)
(後見人の報酬)
第八百六十二条
家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。
「資産」と「財産」の違いがわからなかった・・・。
(5)申立権者
民法(明治二十九年法律第八十九号)
(未成年後見人の選任)
第八百四十条
前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
2 未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
3 未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
未成年後見においては「利害関係人」の請求によることとなっている。
(6)成年後見人等の選任
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)
(手続行為能力)
第百十八条
次に掲げる審判事件(・・・)においては、成年被後見人となるべき者及び成年被後見人は、第十七条第一項において準用する民事訴訟法第三十一条の規定にかかわらず、法定代理人によらずに、自ら手続行為をすることができる。その者が被保佐人又は被補助人(手続行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。)であって、保佐人若しくは保佐監督人又は補助人若しくは補助監督人の同意がない場合も、同様とする。
一 後見開始の審判事件
二 後見開始の審判の取消しの審判事件(別表第一の二の項の事項についての審判事件をいう。)
三 成年後見人の選任の審判事件(別表第一の三の項の事項についての審判事件をいう。)
四 成年後見人の解任の審判事件(別表第一の五の項の事項についての審判事件をいう。第百二十七条第一項において同じ。)
(・・・)
民事訴訟法31条は、つぎのとおり。
同31条にかかわらず、「自ら手続行為をすること」を認めている。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)
(未成年者及び成年被後見人の訴訟能力)
第三十一条
未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。
(7)制限行為能力者の相手方の催告権
民法(明治二十九年法律第八十九号)
(制限行為能力者の相手方の催告権)
第二十条
制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。
2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3 特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
(制限行為能力者の詐術)
第二十一条
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。