就労継続支援A型とB型

1.「就労継続支援A型」とは?「就労継続支援B型」とは?

(1)条文

参照条文

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)

第五条 
この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助をいい、「障害福祉サービス事業」とは、障害福祉サービス(障害者支援施設(・・・)その他主務省令で定める施設において行われる施設障害福祉サービス(・・・)を除く。)を行う事業をいう。
(・・・)
14 この法律において「就労継続支援」とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の主務省令で定める便宜を供与することをいう。
(・・・)

参照条文

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(平成十八年厚生労働省令第十九号)

(法第五条第十四項に規定する主務省令で定める便宜)
第六条の十 
法第五条第十四項に規定する主務省令で定める便宜は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める便宜とする。
一 就労継続支援A型 通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して行う雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援
二 就労継続支援B型 通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援

参照条文

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)

(介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給)
第二十八条 
(・・・)
2 訓練等給付費及び特例訓練等給付費の支給は、次に掲げる障害福祉サービスに関して次条及び第三十条の規定により支給する給付とする。
一 自立訓練
二 就労移行支援
三 就労継続支援
四 就労定着支援
五 自立生活援助
六 共同生活援助

(介護給付費又は訓練等給付費)
第二十九条 
市町村は、支給決定障害者等が、支給決定の有効期間内において、都道府県知事が指定する障害福祉サービス事業を行う者(以下「指定障害福祉サービス事業者」という。)(・・・)から当該指定に係る障害福祉サービス(以下「指定障害福祉サービス」という。)を受けたとき(・・・)は、主務省令で定めるところにより、当該支給決定障害者等に対し、当該指定障害福祉サービス又は施設障害福祉サービス(支給量の範囲内のものに限る。以下「指定障害福祉サービス等」という。)に要した費用(食事の提供に要する費用、居住若しくは滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用又は創作的活動若しくは生産活動に要する費用のうち主務省令で定める費用(以下「特定費用」という。)を除く。)について、介護給付費又は訓練等給付費を支給する。
(・・・)
4 支給決定障害者等が指定障害福祉サービス事業者等から指定障害福祉サービス等を受けたときは、市町村は、当該支給決定障害者等が当該指定障害福祉サービス事業者等に支払うべき当該指定障害福祉サービス等に要した費用(特定費用を除く。)について、介護給付費又は訓練等給付費として当該支給決定障害者等に支給すべき額の限度において、当該支給決定障害者等に代わり、当該指定障害福祉サービス事業者等に支払うことができる
5 前項の規定による支払があったときは、支給決定障害者等に対し介護給付費又は訓練等給付費の支給があったものとみなす
(・・・)
7 市町村は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)に委託することができる。
8 前各項に定めるもののほか、介護給付費及び訓練等給付費の支給並びに指定障害福祉サービス事業者等の介護給付費及び訓練等給付費の請求に関し必要な事項は、主務省令で定める。

(2)整理

いわゆる障害者総合支援法に規定されており、A型とB型では、つぎのような違いがある。

A型B型
雇用契約に基づく就労が可能である者に対して行う雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う
雇用契約の締結等による
就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援

2.就労継続支援の対象者

詳細は、厚生労働省HPを参照。

参考記事(外部リンク)

(1)A型の対象者

「通常の事業所に雇用される事が困難であって、適切な支援により雇用契約に基づく就労が可能な障害者」

  • 移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  • 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  • 就労経験のある者で、現に雇用関係の状態にない者

(2)B型の対象者

「就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される障害者」

  • 企業等や就労継続支援事業A型での就労経験がある者であって、年齢や体力の面で雇用されることが困難となった者
  • 50歳に達している者または障害基礎年金1級受給者
  • 1及び2に該当しない者であって、就労移行支援事業者によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者

3.指定障害福祉サービス事業者の指定

(1)「事業者の指定」について

参照条文

(指定障害福祉サービス事業者の指定)
第三十六条 
第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者の指定は、主務省令で定めるところにより、障害福祉サービス事業を行う者の申請により、障害福祉サービスの種類及び障害福祉サービス事業を行う事業所(以下この款において「サービス事業所」という。)ごとに行う。
2 就労継続支援その他の主務省令で定める障害福祉サービス(以下この条及び次条第一項において「特定障害福祉サービス」という。)に係る第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者の指定は、当該特定障害福祉サービスの量を定めてするものとする。
3 都道府県知事は、第一項の申請があった場合において、次の各号(療養介護に係る指定の申請にあっては、第七号を除く。)のいずれかに該当するときは、指定障害福祉サービス事業者の指定をしてはならない。
一 申請者が都道府県の条例で定める者でないとき。
二 当該申請に係るサービス事業所の従業者の知識及び技能並びに人員が、第四十三条第一項の都道府県の条例で定める基準を満たしていないとき。
三 申請者が、第四十三条第二項の都道府県の条例で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な障害福祉サービス事業の運営をすることができないと認められるとき。(・・・)
4 都道府県が前項第一号の条例を定めるに当たっては、主務省令で定める基準に従い定めるものとする。
5 都道府県知事は、特定障害福祉サービスにつき第一項の申請があった場合において、当該都道府県又は当該申請に係るサービス事業所の所在地を含む区域(・・・)における当該申請に係る種類ごとの指定障害福祉サービスの量が、同条第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県障害福祉計画において定める当該都道府県若しくは当該区域の当該指定障害福祉サービスの必要な量に既に達しているか、又は当該申請に係る事業者の指定によってこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県障害福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第二十九条第一項の指定をしないことができる

都道府県で定める基準とは?

静岡県のケースでは・・・

参考記事(外部リンク)

「障害福祉サービス事業等の定款表記について」静岡県HP

参照条文

障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例(静岡県平成25年3月28日条例第36号)

(設備及び運営の基準)
第3条 
前条に定めるもののほか、法第80条第1項に規定する障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準は、規則で定める。この場合において、当該基準は、前条に規定する障害福祉サービス事業者の一般原則を踏まえたものとしなければならない。

さまざまな基準が定められているが、一例として。

参照条文

障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する規則(静岡県平成25年3月28日規則第21号)

(実施主体)
第75条
就労継続支援A型事業者が社会福祉法人以外の者である場合は、当該就労継続支援A型事業者は専ら社会福祉事業を行う者でなければならない。
2 就労継続支援A型事業者は、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)第44条に規定する子会社以外の者でなければならない。

4.法人設立の観点から

(1)「目的」の記載について

参考記事(外部リンク)
https://www.city.meguro.tokyo.jp/shinseisho/shogaifukushi/soudanshien_shinseisho.files/teikan250401.pdf

「障害福祉サービス事業等の定款表記について」目黒区HP

上記目黒区のHPでは「障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業」が「最も事業を広く取り扱える表現」として紹介されている。

もちろん事業名を記載しても良いのだろう。

法律名が略称で気になるなと思って検索したら、つぎのようなところも。

参考記事(外部リンク)

例として「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」を挙げつつ、留意事項として、次のように記載されていた。

「障害者総合支援法」の表記は略称のため、定款等の表記は正式名称で記載してください。

個人的には、特定できればOKと思うが、管轄する行政庁に確認すべしということか。

なお、静岡県においては、つぎのように回答されている。

参考記事(外部リンク)

上記HPに掲載の「FAQ(検索サイト掲載中の質問一覧) (PDF 186.8KB)」(以下たんに「FAQ」という。)

障害福祉サービス事業(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、
生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支
援B型、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助、短期入所)の指定を受けようとする場合には、
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」と記
載されていれば、問題ありません。

一般相談支援事業(地域移行支援、地域定着支援)の指定を受けようとする場合には、「障害者の日常生
活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく一般相談支援事業」
と記載されていれば、問題
ありません。

障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問
支援)の指定を受けようとする場合には、「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」と記載されていれ
ば、問題ありません。

FAQ NO.33

(2)その他留意事項について

A型の場合には、「専ら社会福祉事業を行うもの」との要件があり。

参照条文

障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する規則(静岡県平成25年3月28日規則第21号)

(実施主体)
第75条
就労継続支援A型事業者が社会福祉法人以外の者である場合は、当該就労継続支援A型事業者は専ら社会福祉事業を行う者でなければならない。
2 就労継続支援A型事業者は、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)第44条に規定する子会社以外の者でなければならない。

この点、定款における目的の記載について、静岡県のFAQにて、つぎのように回答されていた。

社会福祉事業以外に、事業計画の中で指定就労継続支援A型事業として行うとした生産活動(例:飲食
店の経営)は、定款に目的として記載しても差し支えありません。

https://www.pref.shizuoka.jp/res/projects/default_project/_page/001/023/492/faqhp_1.pdf 2023/7/1確認
NO.51