1.条文
参照条文
民法(明治二十九年法律第八十九号)
第八百十八条
成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。
2.
というわけで、養子の親権者は養親となる。
これにより、実親の親権は消滅する(通説)。
なお、配偶者のある者が未成年者を養子にする場合、配偶者とともに養子にすることが要求される。
この場合、818条3項から、親権の共同行使が原則となる。
3.養親の死亡
(1)養父母のいずれか一方が死亡した場合
残った養親が単独で親権者となる(818条3項但書を参照)。
(2)養父母のいずれも死亡(あるいは単独の養親が死亡)した場合
実親の親権は復活せず、未成年後見が開始するというのが通説。
ただし、別の判断をした裁判例もあるとのことだが、戸籍事務に関する先例は、つぎのとおり通説と同じ。
昭和23年11月12日民事甲3585
【要旨】
【旧法においては】養親死亡後の養子に対する親権は実親が行っていたが、この場合の実親の親権は、改正民法【現行民法】818条2項の規定の趣旨より、同法の施行とともに消滅し、養子のために後見が開始し実親は親権を行うことができないと解するのが相当
この通達は戸籍事務の処理基準となっている(平成13年6月15日民一1544参照)。
4.養親と離縁
この場合には、養親が死亡したときと異なり、養子縁組の解消により実親の親権が復活するのが通説。
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