未成年者による意思表示(「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂)

2016年6月9日

ニュースになっていたので。

1.「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改訂しました(METI/経済産業省)

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂ということで、経済産業省か発表されている。

そもそもこの準則は、「電子商取引 や情報財取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめとする関係する法律 がどのように適用されるのかを明らかにすることにより、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的」とのこと(経産省の次のリンク先資料より抜粋)。

http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160603001/20160603001-1.pdf

2.未成年者による意思表示

ニュースになっていたのは、「未成年者による意思表示」の箇所

ネット取引、未成年が年齢詐称なら契約解消できず 経産省見解 :日本経済新聞

原文にあたると若干ニュアンスが異なるような気がしないでもないが。。

全文は次のリンクより。

http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160603001/20160603001-2.pdf

該当箇所抜粋(準則58頁より)

事業者が電子契約の際に画面上で申込者の生年月日(又は年齢)を入力さ せ、未成年者の場合には親の同意を得ることが必要な表示をして親の同意を確実に得させ るなどして未成年者が親の同意なくして取引に入ることを防止する適当な措置を講じている のに、未成年者が虚偽の生年月日(又は年齢)を入力し、その結果、事業者が相手方を成年 者と誤信した場合等には、未成年者が「詐術を用いた」ものと評価できる可能性があるものと 解される。未成年者が「詐術を用いた」ものと評価できる場合には、当該未成年者は取消権を 失う可能性がある。 もっとも、「詐術を用いた」といえるかについては、上記のような措置と虚偽の入力という事 実のみで画一的・機械的な判断ができるものではない。未成年者が詐術を用いたと認められ るか否かは、単に未成年者が成年者を装って生年月日(又は年齢)を入力したことのみにより 判断されるものではなく 22、未成年者の意図的な虚偽の入力が「人を欺くに足りる」行為とい えるのかについて、他の事実も考慮に入れた個別の事実に沿った判断が必要である。

3.関連条文

民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)
第五条
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2  前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

第二十一条
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

第二十条
制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の(・・・)。