1.民法における日付の計算について
民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)
第百四十条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
第百四十一条
前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。
第百四十二条
期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。
蛇足ながら、つぎの条文も。
第百三十八条
期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。
2.「休日」って?
国民の祝日に関する法律(昭和二十三年七月二十日法律第百七十八号)
第一条
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
なかなかに壮大なる1条です。祝日と休日の関係は第3条に規定。
第三条
「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
第3条2項がいわゆる「振替休日」、3項が「国民の休日」。
3.土曜日は?
多くの方にとって土曜日は「休日」という感覚があるように思う。もちろん、水曜休みやシフト制の方もあろうが、官公庁は明らかに土曜日を休日としている。
明文上で「土曜日=休日」となっていないかと検索してみるとこちら。
こんなにも細かく規定されているのかと感嘆。
行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年十二月十三日法律第九十一号)
第一条
次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。
一 日曜日及び土曜日
二 国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
三 十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。)
同様の規定が、
裁判所の休日に関する法律(昭和六十三年十二月十三日法律第九十三号)
国会に置かれる機関の休日に関する法律(昭和六十三年十二月二十七日法律第百五号)
にあった。
地方公共団体についてはこちら。
地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
第四条の二
地方公共団体の休日は、条例で定める。
2 前項の地方公共団体の休日は、次に掲げる日について定めるものとする。
一 日曜日及び土曜日
二 国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
三 年末又は年始における日で条例で定めるもの
銀行も条文があった(その他の金融機関についても各法律上で定めがある。)。
銀行法(昭和五十六年六月一日法律第五十九号)
第十五条
銀行の休日は、日曜日その他政令で定める日に限る。
銀行法施行令(昭和五十七年三月二十七日政令第四十号)
第五条
法第十五条第一項 に規定する政令で定める日は、次に掲げる日とする。
一 国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
二 十二月三十一日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。)
三 土曜日
4.翻って考えてみると
民法
第百四十二条
期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。
「その他の休日」とか「その日に取引をしない慣習がある場合に限り」とかいう文言が気になる。
そうなると、取引上で支払期日を定めるときに「銀行営業日に~」などとすると定義漏れがなくなるのか。。