1.改正相続法の適用範囲
改正相続法の本丸部分が施行されています。
法改正があった際には、改正法の適用範囲が問題となります。
この問題を、改正法の附則が解決するのですが、これについては条文毎に適用の仕方が異なるので注意が必要です。
2.改正法の附則(一部)
一例をあげます。
民法(明治二十九年法律第八十九号)
附 則 (平成三〇年七月一三日法律第七二号)
(民法の一部改正に伴う経過措置の原則)
第二条
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(・・・)
第五条
新民法第九百九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも、適用する。
(・・・)
(遺言執行者の権利義務等に関する経過措置)
第八条
新民法第千七条第二項及び第千十二条の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に遺言執行者となる者にも、適用する。
2 新民法第千十四条第二項から第四項までの規定は、施行日前にされた特定の財産に関する遺言に係る遺言執行者によるその執行については、適用しない。
原則的に、相続発生日と施行日が問題となります。
しかしながら、場合によっては、相続発生は施行日前であっても、特定の法律行為がなされるのが施行日以後であるときには、例外的に改正法が適用されるケースも。
なかなかに、ややこしいです。