(法務省民二第324号令和2年3月30日民事局長通達より)
- 成立要件
- 遺産分割
- 配偶者居住権が遺贈の目的
- 死因贈与契約
- 遺産分割審判
- 被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は設定不可。
- 配偶者が相続開始の時に居住建物の一部に居住していた場合であっても配偶者居住権は成立し、その効力は居住建物の全部に及ぶ
- 婚姻期間が20年以上の夫婦間において配偶者居住権の遺贈又は死因贈与がされた場合、原則として特別受益とは取り扱われない。
- 存続期間
- 配偶者の終身の間
- 遺産分割協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき
- 家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたとき
- 配偶者居住権の存続期間が定められた場合には、その期間の延長や更新は不可
- 居住権の効力・範囲
- 従前の用法
従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。- 従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
- 譲渡の可否
配偶者居住権は譲渡することができない。 - 増改築や第三者への貸借
居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築・増築又は第三者に居住建物の使用・収益をさせることができない。
- 従前の用法
- 消滅
- 存続期間の満了
- 配偶者の死亡
- 居住建物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合
- 配偶者が居住建物の使用及び収益に係る規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をしたにもかかわらず、期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。
- 居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは消滅しない。
- 登記について
- 登記義務
居住建物の所有者は、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う - 対抗要件
登記によって、その後にその不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
- 登記義務
- 経過措置
施行の日(本年4月1日)以後に開始した相続について適用され、同日前に開始した相続については、なお従前の例による。
施行の日(本年4月1日)前にされた遺贈については適用しない。