住宅瑕疵担保履行法について

2019年3月6日

決済の場で耳にすることもある「住宅瑕疵担保履行法」について。

簡単な紹介は、下記国土交通省のホームページをご参照。

住宅瑕疵担保履行法ホームページ

1.目的

参照条文

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成十九年法律第六十六号)
第一条 
この法律は、国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤である住宅の備えるべき安全性その他の品質又は性能を確保するためには、住宅の瑕疵の発生の防止が図られるとともに、住宅に瑕疵があった場合においてはその瑕疵担保責任が履行されることが重要であることにかんがみ、建設業者による住宅建設瑕疵担保保証金の供託宅地建物取引業者による住宅販売瑕疵担保保証金の供託住宅瑕疵担保責任保険法人の指定及び住宅瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅に関する紛争の処理体制等について定めることにより、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号。以下「住宅品質確保法」という。)と相まって、住宅を新築する建設工事の発注者及び新築住宅の買主の利益の保護並びに円滑な住宅の供給を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(1)建設業者による住宅建設瑕疵担保保証金の供託

(2)宅地建物取引業者による住宅建設瑕疵担保保証金の供託

(3)住宅瑕疵担保責任保険法人の指定

(4)保険契約に係る新築住宅に関する紛争の処理体制の整備

ちなみの1条にある住宅品質確保法の目的はつぎのとおり。

参照条文

住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成十一年法律第八十一号)
第一条 
この法律は、住宅の性能に関する表示基準及びこれに基づく評価の制度を設け住宅に係る紛争の処理体制を整備するとともに、新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保責任について特別の定めをすることにより、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護及び住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

第九十四条 
住宅を新築する建設工事の請負契約(以下「住宅新築請負契約」という。)においては、請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、(・・・)「住宅の構造耐力上主要な部分等」(・・・)の瑕疵(・・・)について、民法(・・・)第六百三十四条第一項及び第二項前段に規定する担保の責任を負う。
2 前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする。
3 (・・・)

第九十五条 
新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(・・・)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第一項並びに同法第六百三十四条第一項及び第二項前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第一項及び第二項前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第一項中「請負人」とあるのは「売主」とする。
2 前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。
3 (・・・)

2.供託又は保険

参照条文

第三条 
建設業者は、各基準日(毎年三月三十一日及び九月三十日をいう。以下同じ。)において、当該基準日前十年間に住宅を新築する建設工事の請負契約に基づき発注者に引き渡した新築住宅について、当該発注者に対する特定住宅建設瑕疵担保責任の履行を確保するため、住宅建設瑕疵担保保証金の供託をしていなければならない。
2 前項の住宅建設瑕疵担保保証金の額は、当該基準日における同項の新築住宅(当該建設業者が第十七条第一項に規定する住宅瑕疵担保責任保険法人(以下この章及び次章において単に「住宅瑕疵担保責任保険法人」という。)と住宅建設瑕疵担保責任保険契約を締結し、保険証券又はこれに代わるべき書面を発注者に交付した場合における当該住宅建設瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅を除く。以下この条において「建設新築住宅」という。)の合計戸数の別表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内で、建設新築住宅の合計戸数を基礎として、新築住宅に住宅品質確保法第九十四条第一項に規定する瑕疵があった場合に生ずる損害の状況を勘案して政令で定めるところにより算定する額(以下この章において「基準額」という。)以上の額とする。

第四条 
前条第一項の新築住宅を引き渡した建設業者は、基準日ごとに、当該基準日に係る住宅建設瑕疵担保保証金の供託及び同条第二項に規定する住宅建設瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、国土交通省令で定めるところにより、その建設業法第三条第一項の許可を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

住宅建設瑕疵担保責任保険を締結し保険証券等を発注者に交付した場合を除き、新築住宅ごとに所定の保証金を供託しなければならない。
供託金額は、1戸であれば2000万円となり、10戸だと3800万円となる(数式は政令で定められている。)。
供託の場合、相当な金額になるので、多くの業者さんは「保険付保」により対応する。

なお、上記「建設業者」は、建設業法による許可を受けて建設業を営む者をいう(法2条2項。建設業法2条3項。)。

したがって、軽微な工事として新築住宅を建てている業者は、供託義務の対象外となる(ただし、こうした業者でも加入できる保険が用意されている。)。

3.住宅瑕疵担保責任保険法人

参照条文

第十七条 
国土交通大臣は、特定住宅瑕疵担保責任その他住宅の建設工事の請負又は住宅の売買に係る民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百三十四条第一項若しくは第二項前段又は同法第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第一項に規定する担保の責任の履行の確保を図る事業を行うことを目的とする一般社団法人、一般財団法人その他政令で定める法人であって、第十九条に規定する業務(以下「保険等の業務」という。)に関し、次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、住宅瑕疵担保責任保険法人(以下「保険法人」という。)として指定することができる。
一 保険等の業務を的確に実施するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有し、かつ、保険等の業務に係る収支の見込みが適正であること。
二 職員、業務の方法その他の事項についての保険等の業務の実施に関する計画が、保険等の業務を的確に実施するために適切なものであること。
三 役員又は構成員の構成が、保険等の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
四 保険等の業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって保険等の業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

現在指定されている法人は以下の通り。

参考記事(外部リンク)

そのうちの一社のホームページ

参考記事(外部リンク)
住宅あんしん保証の会社情報はこちらから。住宅あんしん保証は各種住宅かし担保責任保険(新築住宅、既存(中古)住宅、リフォーム工事、大規模修繕工事)や工事保険、住宅…

パンフレットをみると保険料も確認することができます。

自動車保険で支払う金額と比較すると安いですね(補償内容が全く異なるので比較する意味はないかもしれませんが。)。