1.規則61条の改正
平成28年4月21日付官報にて、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第百四十八条(他の法令において準用する場合を含む。 ) の規定及び関係法令の規定に基づき、商業登記規則等の一部を改正する省令が交付された。
施行は平成28年10月1日から。
いくつかの改正点が含まれるが、なんといっても規則61条の改正。
改正内容は、あらまし次のとおり(改正内容は、種類株主も対象となっていますが、以下では記載を省略しています。)。
(1)株主全員の同意を要する場合
登記すべき事項について、株主全員の同意を要する場合は、株主全員の氏名及び住所、並びに株式数及び議決権数を証する書面を添付しなければならない。
(2)株主総会の決議を要する場合
登記すべき事項について、株主総会の決議を要する場合には、申請書に、
総株主の議決権の数に対する、
その有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であって、
次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の
氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式数及び議決権の数並びに議決権割合を証する書面を添付しなければならない。
(1)10名
(2)議決権の数の多い順に加算して、3分の2に達するまでの人数
参考までに、株主名簿について規定した会社法の条文を引用。
会社法(平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
第百二十一条 株式会社は、株主名簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下「株主名簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
一 株主の氏名又は名称及び住所
二 前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
三 第一号の株主が株式を取得した日
四 株式会社が株券発行会社である場合には、第二号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号
2.まとめ
株主名簿に必要事項を加筆して対応すれば事足りるという話かもしれないが。。
今後、この名簿がどのように発展していくのか(たとえば様式や記載内容の証明の厳密化)ということを考えると、
相応の正確性が求められ、そうなると名義株とか、株主について相続開始後放置とか行方不明とか、そんな関連論点が明るみにでてくるような気が。。。
どのような経緯で改正がなされたのか知らないが、税務やマネーロンダリングの観点からは必要なのかなと思ったり思わなかったり。