目次
1.株式会社の読み方・ふりがな
(1)広辞苑は「かぶしきがいしゃ」
お客様から問い合わせをもらい、「一般的には『が』だと思いますが・・、どうでしょうか・・・。」と何とも歯切れの悪い回答をしたため、確認してみた。
まずは、手元の広辞苑を調べてみると、「かぶしきがいしゃ」と「が」で掲載されていた。
(同書第7版598ページ参照)
やはり、一般的には「かぶしきがいしゃ」なのだろう。
ほかにフリガナについて言及したものはないかとネットで検索をかけてみたが、銀行の振込の時などは略して表記するため「(カ」「カ)」「(カ)」、ピタッとくる情報は見つけられなかった。
(2)法務省は「かぶしきかいしゃ」?
法務省が提供する「日本法令外国語訳データベースシステム」にて、つぎのような記述がある。
会社法(平成十七年法律第八十六号)
(商号)
(Trade Name)
第六条 会社は、その名称を商号とする。
Article 6(1) The name of a Company is its trade name.
2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
(2) A Company must use in its trade name the words “Kabushiki-Kaisha“, “Gomei-Kaisha”, “Goushi-Kaisha” or “Goudou-Kaisha” respectively for Stock Company, General Partnership Company, Limited Partnership Company or Limited Liability Company.
3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
(3) A Company may not use in its trade name any word which makes it likely that the Company may be mistaken for a different form of Company.
「Kabushiki-Kaisha」すなわち「かぶしきかいしゃ」と記載されている。
とはいえ、発音的に正しく「Gaisha」とすると、「Kaisha」と「Gaisha」で違うものと混乱させてしまうことへの配慮のようにも思う。
会社法において「定義」の記載をしている箇所の翻訳を確認してみると、以下のように記載されている。
会社法(平成十七年法律第八十六号)
(定義)
(Definitions)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
Article 2 In this Act, the meanings of the terms listed in the following items are as prescribed respectively in those items:
一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
(i) ”Company” means any Stock Company, General Partnership Company, Limited Partnership Company or Limited Liability Company;
「Company」=「会社(かいしゃ・Kaisha)」であれば、「株式会社」=「Stock Company」=「Kabushiki-Kaisya」とするのが、わかりやすいだろう。
というわけで、あくまで表記上「Kabushiki-Kaisya」とされているだけと考えられる。
2.商号の「ふりがな」
(1)商業・法人登記申請におけるフリガナ
フリガナといえば、商業・法人登記の申請において、申請書に商号・名称のフリガナを記載すべしとの改正がおこなわれた(平成30年3月12日から)。
ただし、フリガナを記載すべきは「法人の種類を表す部分(「株式会社」「有限会社」など)」を除く。
【商業・法人登記申請におけるフリガナの記載例】
商号:築地株式会社
フリガナ:ツキジ
(2)商号のフリガナは法人番号検索に掲載
申請書に記載されたフリガナは、国税庁の法人番号公表サイトにて公表される。
国税庁「法人番号公表サイト」
(3)フリガナに関する申出書、フリガナの訂正
なお、登記申請以外のタイミングでも「フリガナに関する申出書」を提出することでフリガナを届け出ることができる。
また、届け出たフリガナの訂正をしたい場合についても、同じように申出書を提出することで対応が可能。
「フリガナに関する申出書」は下記法務省HPに記載例が掲載されている。
「◆商業・法人登記申請の機会がない場合には,フリガナに関する申出書(※)を管轄の法務局に 提出して,フリガナを登録することもできます。」という段落に申出書のひな型が掲載されている。