会社設立の際に、お客様が主張するメリットとして「消費税」が挙げられます。
具体的な決算期については、税理士さんにアドバイスを受けて進めていきますが、自分なりに整理してみました。
目次
1.消費税の課税要件
これまで個人事業主として事業を営んでいた方が、会社を設立したいと思う理由に「消費税の課税」に関する論点があります。
(1)基本
国税庁のタックスアンサーを引用します。
「消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除されます」
(2)基準期間
個人事業者:その年の前々年
法人(事業年度が1年):その事業年度の前々事業年度
2.法人成りと消費税の課税要件
(1)新たに設立された法人
「新たに設立された法人については、設立1期目及び2期目の基準期間はありませんので、原則として納税義務が免除されます。」
(2)上記例外として、つぎのようなものがあります。
「その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。」
3.「特定期間」とは
(1)
国税庁の質疑応答事例を引用します。
「特定期間とは、個人事業者にあってはその年の前年1月1日から6月30日までの期間、法人にあっては原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間」をいいます。
(2)設立1期目の事業年度が7カ月より長い法人
設立1期目については、前事業年度がないため非課税。翌年(設立2期目)については、基準期間は存在しないが、「特定期間」は存在するので、前事業年度の開始日から6カ月(または事業年度終了までの間)で判断。
(3)設立1期目の事業年度が7カ月以上の法人
設立1期目については、前事業年度がないため非課税。翌年(設立2期目)については、基準期間は存在しない。かつ、前事業年度は7か月以下であるためその期間は特定期間に該当しない。
さらに、細かな例外がありますが、省略(詳細は次のリンク先)。