廃棄物の処理及び清掃に関する法律について(2)

2022年4月7日

1.事業者の責任

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)

(事業者の責務)
第三条 
事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
3 事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

事業者は、事業活動に伴つて生じた廃棄物を、自らの責任において適正処理しなければならない。
適正処理の責任が課されるのは、産業廃棄物だけでなく、それよりも広い「事業活動に伴つて生じた廃棄物」である。

(事業者及び地方公共団体の処理)
第十一条 
事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
2 市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
3 都道府県は、産業廃棄物の適正な処理を確保するために都道府県が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行うことができる。

(事業者の処理)
第十二条 
事業者は、自らその産業廃棄物(・・・)の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(・・・)に従わなければならない。
2 事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準(・・・)に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。
(・・・)
5 事業者(・・・)は、その産業廃棄物(・・・)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第十四条第十二項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。
6 事業者は、前項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。
7 事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

なお「中間処理業者」については12条5項に定義があり「発生から最終処分(・・・)が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分する者」をいう。
おなじく「中間処理産業廃棄物」についても12条5項に定義があり「発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物」をいう。

(参考)

(国民の責務)
第二条の四 
国民は、廃棄物の排出を抑制し、再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り、廃棄物を分別して排出し、その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により、廃棄物の減量その他その適正な処理に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

2.産業廃棄物管理票(いわゆるマニフェストについて)

(産業廃棄物管理票)
第十二条の三 
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。・・・。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない
2 前項の規定により管理票を交付した者(以下「管理票交付者」という。)は、当該管理票の写しを当該交付をした日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
3 産業廃棄物の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときは、当該処分を委託された者に管理票を回付しなければならない。
4 産業廃棄物の処分を受託した者(以下「処分受託者」という。)は、当該処分を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項(当該処分が最終処分である場合にあつては、当該環境省令で定める事項及び最終処分が終了した旨)を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。
5 処分受託者は、前項前段、この項又は第十二条の五第六項の規定により当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された管理票の写しの送付を受けたときは、環境省令で定めるところにより、第一項の規定により交付された管理票又は第三項後段の規定により回付された管理票に最終処分が終了した旨を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない
6 管理票交付者は、前三項又は第十二条の五第六項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処分が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
8 管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第三項から第五項まで若しくは第十二条の五第六項の規定による管理票の写しの送付を受けないとき、これらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき、又は第十四条第十三項、第十四条の二第四項、第十四条の三の二第三項(第十四条の六において準用する場合を含む。)、第十四条の四第十三項若しくは第十四条の五第四項の規定による通知を受けたときは、速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。
9 運搬受託者は、第三項前段の規定により管理票の写しを送付したとき(同項後段の規定により管理票を回付したときを除く。)は当該管理票を当該送付の日から、第四項後段の規定による管理票の写しの送付を受けたときは当該管理票の写しを当該送付を受けた日から、それぞれ環境省令で定める期間保存しなければならない。
10 処分受託者は、第四項前段、第五項又は第十二条の五第六項の規定により管理票の写しを送付したときは、当該管理票を当該送付の日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
11 前各項に定めるもののほか、管理票に関し必要な事項は、環境省令で定める。

キーワードを抜粋すると次のとおり。

産業廃棄物管理票
:委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載したもの

管理票交付者
:規定により管理票を交付した者(要するに産廃の出元。中間処理業者を含む。)

運搬受託者
:産業廃棄物の運搬を受託した者

処分受託者
:産業廃棄物の処分を受託した者