目次
1.医療法の改正(平成28年9月1日施行部分を中心に)
「経営の透明性の確保及びガバナンスの強化」
(1)一定規模の医療法人における会計基準・方法の変更
(2)特定事業者との取引状況に関する報告書(平成29年9月2日施行)
(3)理事の忠実義務等を規定
(4)機関設置の義務化
特に(4)については、下記の機関が必置とされた。
①社員総会(評議員・評議員会)
②理事
③理事会
④監事
(なお、理事長のみが登記事項。)
医療法(昭和二十三年七月三十日法律第二百五号)
第四十六条の二
社団たる医療法人は、社員総会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。
2 財団たる医療法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。
第四十七条
社団たる医療法人の理事又は監事は、その任務を怠つたときは、当該医療法人に対し、これによつて生じた損害を賠償する責任を負う。
(未施行)
第五十条第一項中「会計は」の下に「、この法律及びこの法律に基づく厚生労働省令の規定によるほか」を加える。
第五十一条第一項中「損益計算書」の下に「、関係事業者(理事長の配偶者がその代表者であることその他の当該医療法人又はその役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者をいう。)との取引の状況に関する報告書」を加える。
2.現行定款の取り扱い
(1)改正法附則6条
附則第六条
附則第一条第二号に掲げる規定の施行の際現に存する医療法人は、第二号新法の施行に伴い、定款又は寄附行為の変更が必要となる場合には、第二号施行日から起算して二年以内に、第二号新法第五十四条の九第三項の認可の申請をしなければならない。
第五十四条の九
3 定款又は寄附行為の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(2)定款変更のススメ
規定ぶりが大きく変更になっている。従い、速やかに定款変更(および認可申請)をおこない、定款規定をアップデートすべき。
【定款例は下記サイトにて】
3.現行理事等の取り扱い
(1)改正法附則3条
附則第三条
附則第一条第二号に掲げる規定の施行の際現に医療法人の役員である者の任期については、なお従前の例による。
改正後医療法
第四十六条の五
医療法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。ただし、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、一人又は二人の理事を置けば足りる。
9 役員の任期は、二年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。
(2)H19.4.1より前の役員と任期
(参考)
附則 (平成一八年六月二一日法律第八四号) 抄
附則第一条
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則第十一条
この法律の施行の際現に医療法人の役員である者の任期は、新医療法第四十六条の二第三項の規定にかかわらず、この法律の施行の際におけるその者の役員としての残任期間と同一の期間とする。
※この平成18年改正前の医療法において役員任期に関する規定はない。
平成18年改正後の医療法
第四十六条の二
3 役員の任期は、二年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。
4.議事録への署名
(1)社員総会議事録
法律上の規定なし
(2)理事会議事録
第四十六条の七の二
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十一条 から第九十八条 まで(第九十一条第一項各号及び第九十二条第一項を除く。)の規定は、社団たる医療法人及び財団たる医療法人の理事会について準用する。(・・・)。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年六月二日法律第四十八号)
第九十五条
3 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。