借地権に関連する登記

2016年3月3日

関連条文の確認です。

1.「借地権」の定義

借地借家法(平成三年十月四日法律第九十号)

第二条

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一  借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。

2.自己借地権

借地借家法(平成三年十月四日法律第九十号)

第十五条

借地権を設定する場合においては、他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない。

借地権が借地権設定者に帰した場合であっても、他の者と共にその借地権を有するときは、その借地権は、消滅しない。

3.混同の原則

民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)

第百七十九条

同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

2  所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

3  前二項の規定は、占有権については、適用しない。

4.賃借権の登記 

不動産登記法(平成十六年六月十八日法律第百二十三号)

第八十一条

賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一  賃料

二  存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め

三  賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め

四  敷金があるときは、その旨

五  賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨

六  土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨

七  前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項 又は第二項 に規定する建物であるときは、その旨

八  借地借家法第二十二条 前段第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律 (平成十三年法律第二十六号)第五十二条 又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項 の定めがあるときは、その定め

第五十九条

権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。

五  登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め

 ※1

「権利消滅の定め:借地借家法24条1項の建物譲渡契約による賃借権消滅」

※2

「目的:借地借家法23条1項の建物所有」

5.定期借地権・事業用借地権

借地借家法(平成三年十月四日法律第九十号)

第二十二条

存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。

第二十三条

専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。

2  専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。

3  前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。

6.借地権の譲渡・転借

借地借家法(平成三年十月四日法律第九十号)

第十九条

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。(・・・)。