目次
1.会社商号とスペース(空白)の利用
商号に「スペース(空白)」を利用することができる。
ただし、利用には条件がある。
法務省「商号にローマ字等を用いることについて」
上記ページの注意書きとして「※なお、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間を区切るために空白(スペース)を用いることもできます。」と記載されている。
2.商業登記規則などの条文の確認
(1)商業登記規則と法務省告示
商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)
第五十条
商号を登記するには、ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものを用いることができる。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
告示は確認できなかったが、上記法務省HPに転記されているものは次の通り。
法務省告示 商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第51条の2第1項(他の省令において準用する場合を含む。)の規定に基づき,商号の登記に用いることができる符号を次のように定め,平成14年11月1日から施行する。
平成14年7月31日 法務大臣 森 山 眞 弓
1 ローマ字
2 アラビヤ数字
3 アンパサンド,アポストロフィー,コンマ,ハイフン,ピリオド及び中点
【筆者注:上記条文は、現在は商業登記規則第50条】
これらの詳しい内容については、平成14年7月31日法務省民商第1841号依命通知に記載がある。
2.スペースが利用できる根拠
「あれっ、スペースは??」と思ったら、それは平成14年7月31日 法務省民商第1841号依命通知による。
(・・・)
なお、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間を空白(スペース)によって区切ることも差し支えない。
(・・・)
3.疑問
スペースを利用できるのは「ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合」に限定されている。
(疑問1)ローマ字と別種文字の混合である単語同士を区切ることはできるのか
(疑問2)ローマ字を用いた単語と、ローマ字を用いていない単語を区切ることはできるのか
ちなみに上記通知においても、1つの商号の中で異なる文字の組み合わせを行うことは許容されており、またローマ字を利用する場合に「頭文字を羅列したそれ自体としては単語の意味をなさない」形で表記することも認められている。
そう考えると、疑問1については許容されそうな気がする。
一方で、疑問2については、どうなのだろうか。
3.商号における利用例(法人番号検索)
(1)法人番号検索
国税庁:法人番号検索サイト
実際に商号で利用されている例(登記されている例)を確認するために、国税庁の法人番号検索サイトで検索してみた。
(2)調べた結果
なお、公表情報とはいえ商号そのものを記載するのはためらわれるので、ちょっと改変して記載している。
(疑問1のパターン例)
「JP21 ADVERTISEMENT株式会社」
(疑問2のパターン例)
「World FOOTBALL 2019合同会社」
アラビア数字との組み合わせは確認できたが、日本文字との組み合わせだとスペースがを利用しているものは確認できなかった(確認できなかっただけであるのかもしれない。)。