不動産登記における住所変更登記の要否について

2020年4月21日

いまさら何をという感じなのですが、ふと疑問に思ったので。

1.事例の設定

(事例1)
令和2年4月1日に、BからAに売買により所有権が移転した。
令和2年4月5日に、Bは登記記録上の住所から住所移転した。
令和2年4月20日に、AおよびBは上記売買にかかる所有権移転登記を申請する。
申請書に添付するBの印鑑証明書の住所は、移転後の住所となっている。

(事例2)
令和2年4月1日に、BからAに売買により所有権が移転した。
令和2年4月5日に、Aは所有権移転時の住所から住所移転した。
令和2年4月20日に、AおよびBは上記売買にかかる所有権移転登記を申請する。
申請書に添付するAの住民票の住所は、移転後の住所となっている。

2.疑問(変更or更正?)

(疑問)申請にあたり、AまたはBの住所移転を、どのように考慮すべきか?

3.

(参考)登記研究856号「実務の視点」質疑応答21

事例1について
登記名義人の表示変更登記を省略することはできない。
添付される印鑑証明書の住所と登記記録上の住所が合致しないときには、正当な印鑑証明書の添付がないものとして却下。
登記原因日付と住所変更の日の前後関係は考慮されない。

事例2について
仮に登記原因証明情報において、旧住所が記載されていても、住所変更証明書を添付して新住所にて登記。

4.おまけ事例

おまけ
(事例3)
令和2年4月1日に、AからBに売買により所有権が移転した。
令和2年4月5日に、Aは死亡した(相続人はC1名。)。
令和2年4月20日に、Aの相続人CおよびBは上記売買にかかる所有権移転登記を申請する。
(申請書に添付するAの住民票除票の住所は、登記記録上の住所と異なっている。)
上記実務の視点の質疑応答19を参照。
変更証明情報を添付しても、表示変更の登記を省略することはできない!!
遺贈のケースと同じ?

【まとめ】

住所は、申請日基準で考えよう。

相続登記(被相続人の住所)だけが特殊なのだ。